成分解析から考える②:トリートメントの選び方

本記事では,成分解析からトリートメントを選ぶ方法について説明します.

髪のお悩み別にトリートメントを選べるよう,補修成分の一覧を絵にまとめて紹介します

本記事を読むことで,

トリートメントのことを知り,本当に自分に合ったトリートメントを選べるようになります

トリートメントの中身ってどうなってるの?:成分構成

ここではトリートメントがどんなものからできているのか,その成分の構成を紹介します.

トリートメントは次の絵に示す,4つの種類の成分からできています.

トリートメントの中身は ①高級アルコール②柔軟成分③シリコン系成分④補修成分 の4つからできています.

4つの中身を簡単に説明すると,次のようになります.

  • 高級アルコール:ベース剤,とろみをつけて扱いやすくする
  • 柔軟成分:静電気防止と髪を柔らかくする
  • シリコン系成分:髪の表面をコーティング
  • 補修成分:髪や頭皮の美容・コンディショング効果

この4つの中身がそれぞれどのような成分からできているのかを見ることで,「自分に合ったトリートメント」を選ぶことができます.

それでは各成分について説明します.

高級アルコール成分

高級アルコールはトリートメントのベースとなる成分です.

成分が水だけでは,トリートメントが水のように流れて扱いづらいので,とろみをつけるために使われています

また,髪の油分を補給する役割もあります.

主に

  • ステアリルアルコール
  • セテアリルアルコール
  • セタノール

が使用されています.

高級アルコールはベース剤であって,この成分で製品の特徴を出したり,差別化をしたりはされません.

そのため,トリートメントを選ぶときに,そこまで意識する必要はない成分です.

高級アルコールの重要ポイント
①ベースのとろみ成分
②差別化されるポイントではないので,意識する必要はない

柔軟成分

柔軟成分の役割は2つあります.

1つ目が「静電気防止」,2つ目が「髪の毛を柔らかくすること」です.

ひとつずつ説明していきます

静電気防止

トリートメントの柔軟成分には「カチオン系界面活性剤」というものが使用されます.

カチオンとは「プラスの電気」という意味です.

一方で,シャンプーの洗浄成分には「アニオン系界面活性剤」というものが使用されています.

アニオンとは「マイナスの電気」という意味です.

シャンプーの洗浄成分:成分解析から考える①:シャンプーの選び方

シャンプーの場合,この界面活性剤を使うことで水では流れない脂汚れを,水で流れるようにします.

ですが,シャンプーをしている間にこのアニオンの「マイナスの電気」が髪にくっついてしまいます.

すると,髪の毛がマイナスの電気を帯びてしまい,マイナス磁石状態になります.

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このまま髪の毛を乾かすと,髪の毛同士がマイナス磁石で反発してゴワゴワになったり,静電気がぱちぱちしたりして,くし通りも悪い状態になります.

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この髪の毛の「マイナス磁石状態」を解消するために,プラスの電気を持つカチオン系の界面活性剤がトリートメントには含まれています.

その結果,髪の毛のマイナスとプラスが打ち消しあって,髪の毛の電気がなくなり,ゴワゴワ状態が解決されます.

柔軟作用

トリートメントの柔軟成分であるカチオン系界面活性剤は,丸いプラス側が髪の毛にくっつきます.

すると,界面活性剤の「棒側」が,髪の毛の外側に向かって並ぶことになります.

その結果,棒が髪の毛と髪の毛の間のクッションになる,摩擦をなくしたり,滑らかに髪が動くようになって,髪の毛にやわらかい手ざわり(柔軟感)が生まれます

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柔軟成分の選び方

柔軟成分には

  • ベヘントリモニウムクロリド
  • ステアルトリモニウムクロリド

などが使用されます.

高級アルコールと同様に柔軟成分もあまり差別化の要素ではないため,柔軟成分の種類でトリートメントの選ぶことはほとんどありません.

柔軟成分は,シャンプーの界面活性剤と同様に,大きさの大小があり,小さいものは皮膚への刺激性が強いです.

そのため,柔軟成分が頭皮につくのは良くありません.

ただし,頭皮のコンディショニングを考えたトリートメントもあり,そうした製品の場合にはきちんとチェックされているので,頭皮についても大丈夫です.

柔軟成分の重要ポイント
①静電気によるごわつきを防止し,髪の毛をクッションして柔らかい手ざわりにする
②とくに差別化されるポイントではないので,意識する必要はない

シリコン成分

シリコン成分の役割

シリコン成分には

  • ジメチコノール
  • ジメチコン
  • アモジメチコン
  • シクロペンタシロキサン

などが使われます.

トリートメントのシリコン成分は,髪の毛のキューティクルをコーティングすることで,すべりを良くして手ざわりを改善したり,光がきれいに反射されるようにして髪の毛のツヤを生んだりします

また,コーティングすることで髪の毛が少し重たくなるので,パサついている髪をまとめてくれます.

シャンプーの場合は「ノンシリコン」が良いという風潮があります.

ただしこれは,洗浄成分が本質的問題であるのですが・・・

洗浄成分の質が悪いノンシリコンシャンプーを避けるべき理由と製品一覧

シャンプーにシリコンを入れる場合は,「シャンプー時のきしみを防ぐ」潤滑剤としての目的で使用されています.

一方でトリートメントの場合はツヤを生むといった,「仕上がりの美しさ」のためにシリコンを使用するので目的が違います.

シャンプーはノンシリコンが良いからといって,トリートメントも完全ノンシリコンが良いわけではないので注意してください

とはいえ,どれくらいシリコンが入っているほうが良いのかは,髪の状態(ダメージ具合)によって異なります.

カラーもパーマもしておらず,アミノ酸系のシャンプーを使っているような人はほとんど髪のダメージはありません.

そのためキューティクルがきちんと整っているので,シリコンでコーティングする必要はほとんどありません.

ですので,シリコン成分なしか,ちょっぴりシリコンが含まれている系のトリートメントが良いです.

1,2度カラーかパーマをしている髪の場合は,どうしてもダメージを受けているのでちょっぴりシリコンタイプのトリートメントがお勧めです.

頻繁にカラーやパーマを繰り返している場合は,がっつりシリコンタイプのトリートメントがお勧めです.

がっつりシリコンの問題点

それでは,「はじめからみんな,がっつりシリコンで良いのでは?」という疑問もわきます.

ですが,シリコンがっつりにすると悪影響がいくつかあります.

まずコーティングが分厚くなり,仕上がりが重くなります.

またコーティングが分厚すぎて,トリートメントの補修成分がきちんと髪に浸透しなくなります

さらに,美容院でカラーやパーマをあてるときに,シリコンが邪魔でかかりが悪くなります.

そして一番問題が,シリコンの表面で油分が酸化して臭います

シリコンは油を吸着しやすい性質があります.

そのため,髪の毛の外側にシリコンがついて,そのさらに外側に油分がくっつきます.

すると,油コーティングで髪の毛になめらかさや,きれなツヤがうまれます.

ですが,油分は「料理用のてんぷら油」と同様に,酸化して色や性質が変わり,さらに臭いが発生します.

そのため,美しい髪を保つには毎日きちんとシャンプーで油分を落とし,新しい油分を補修してあげることが大切です

ですが,シリコンがっつりだと吸着力が強く,この油分が落ちにくいです

このような問題点があるため,不必要にシリコンがっつり系を使うのはお勧めしないです.

また,シリコンがっつり系を使うのであれば,きちんと油分を洗えるように強い洗浄力のシャンプーを使う必要があります.

アミノ酸系ノンシリコン・シャンプーで使われている洗浄成分の種類と特徴

シリコン成分の選び方

シャンプーやトリートメントの成分表は,配合量が多い順に記載されています.

そのため,最初のほうにシリコン系の成分が表示されているトリートメントは,がっつりシリコンです.

シリコン成分のなかでは,アモジメチコンが一番優秀な成分で,集中トリートメントなどに使われています.

またシクロペンタシロキサンは,アウトバストリートメントに使われている,落ちやすいシリコンです.

そのため,きちんとコーティングして美しくしてくれますが,どんどんコーティングが分厚くなることを避けられます.

シリコン系成分の重要ポイント
①指どおりを良くし,ツヤを与える役割
②トリートメントの場合,ノンシリコンが良いわけではない
③髪のダメージに合わせて,シリコンの配合量を考慮する
④がっつりシリコン+低洗浄力シャンプーの組み合わせは避ける

補修成分

補修成分は髪の毛を美しく保つための成分であり,各種トリートメント製品の特徴を生み出している成分です.

補修成分は大雑把に次の6つに分類することができます.

  • 毛の内部のタンパク質を補修
  • 毛の内部の水分を補修
  • 毛の外側の水分を補修
  • 毛の外側の油分を補修
  • 頭皮のコンディショニングパーマ・カラーの維持

まとめた絵がこちらになります.

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各分類ごとに,どのような成分があって,どのような補修効果があるのかを説明します.

毛の内側のタンパク質を補修

髪の毛の内部は主にケラチンと呼ばれるタンパク質でできています.

このケラチンが少なくなると,髪の毛のハリ・コシが失われてしまいます.

「加水分解ケラチン,加水分解シルク,ペリセア,ヘマチン,クレアチンなど」

これらの成分は髪の毛の内側に浸透して,ケラチンを補充したり,ちぎれたケラチン同士をくっつけたりして,髪の毛のハリ・コシを補修してくれます

猫っ毛の方や,年齢を重ねるにしたがい髪の毛にボリュームを感じなくなった方は,こうした成分が含まれているトリートメントを選ぶと良いです.

毛の内部の水分を補修

髪の毛の内部では,主にヒアルロン酸という形で水分が保持されています.

この水分が失われていくと,髪の毛がパサついてくるだけでなく,髪の毛がくせ毛気味になっていき,うねりが出ます

これは髪の毛の内部の水分量が不均一になって,ゆがんでしまうからです.

「加水分解ヒアルロン酸,ペリセア,加水分解コラーゲンなど」

これらの成分は髪の毛の内側に浸透して,ヒアルロン酸を補充したり,水分を補充してくれます.

髪の毛がパサつく人や,うねってまとまりが悪いと感じる人,年齢を重ねるにしたがい髪の毛のくせが気になってきた方は,こうした成分が含まれるトリートメントを選ぶと良いです.

毛の外側の水分を補修

髪の毛の外側では,キューティクルの髪の毛本体に接着しているCMCと呼ばれる部分に水分が含まれています.

髪の毛の外側に水分の膜を作ってあげることで,内部から水分が出ていくことを防いだり,パサツキを抑えたりします.

「BG,グリセリン,リピジュア,ヒアルロン酸,ハチミツなど」

これらの成分は髪の毛の外側で水分を溜め込んで,髪を保湿してくれます.

髪の毛のパサツキが気になる人におすすめです.

毛の外側の油分を補修

髪の毛本体とキューティクルを接着しているCMCと呼ばれる成分は脂分でできています.

日常生活やシャンプーなどでCMCは溶け出していきやすいので,CMCを補充するために,油分を与えることが重要です

また,キューティクルの外側に油分がつくことで,滑らかな指どおりや美しいツヤが生まれます.

さらに,キューティクルの接着成分であるCMCが少なくなると,キューティクルが柔軟に動けなくなり,髪の毛がごわついたり,固くなります

「ホホバ種子油,ツバキ油,オリーブオイル,メドウフォーム油,セラミド,疑似セラミドなど」

これらの成分は髪の毛の外側の油分を補充し,髪の毛を美しく保ってくれます.

ツヤのある美しい髪の毛にしたい人,髪の毛がごわついたり,剛毛をどうにかしたい人は,こうした成分が含まれるトリートメントを選ぶと良いです.

頭皮のコンディショニング

シャンプー・トリートメントは髪の毛だけでなく,頭皮のコンディションも整えてくれます.

髪の毛は頭皮から生まれるので,頭皮の環境にも意識を向けることが重要です.

「グリチルリチン酸2K,ダイズエキス,センブリエキス,チョウジエキス,アルギニンなど」

こうした成分は頭皮の炎症を鎮めたり,頭皮の血行を促進して,髪の毛の細胞に栄養を与えてくれます.

また抜け毛を減らし,頭皮の育毛環境を整えてくれます.

ただし,シャンプーやトリートメントでできる頭皮のコンディショニングは,そこまで効果的ではありません.

洗い流してしまいますので・・・

真剣に取り組むのであれば,きちんと「洗い流さない美容液タイプ」で頭皮のコンディショニングをする必要があります.

パーマ・カラーの維持

最後にパーマやカラーの維持をしてくれる成分として「ヘマチン」が挙げられます.

ヘマチンは他の物質とくっつく力が強い成分です

パーマやカラー後には薬剤が髪の中に残っているのですが,それらとくっついて取り除いてくれます.

また髪の毛の主成分であるケラチンとケラチンをつないでくれます.

その結果,髪の毛を補修することにくわえて,パーマ効果を保つことや,カラーの色素が外に出る隙間をなくしてカラーの退色を防ぐ効果があります.

まとめた図を再度紹介します.

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トリートメントのまとめ

以上,トリートメントの役割と成分を説明しました.

長い記事になりましたが,お付き合いいただきありがとうございます.

本記事で説明しました「成分から考える,シャンプーとトリートメントの選び方」をふまえて,髪のお悩み別におすすめのシャンプー・トリートメントを紹介しています.

参考になれば幸いです.

髪のお悩み別:おすすめのシャンプー&トリートメント(工事中)

  • 「ハリ・コシがない,ねこっけ」にお悩みの人
  • 「髪がまとまらない,くせ毛」にお悩みの人
  • 「ツヤが欲しい,剛毛」にお悩みの人
  • 「パーマやカラーを維持したい」という人
  • 「パーマやカラーを繰り返してダメージヘアー」にお悩みの人
  • 「エイジングケアをしたい」という人

以上,ご一読いただきありがとうございました.