アンファ―の「スカルプD スカルプシャンプー」について成分解析、口コミ紹介、期待される育毛効果の検証をおこないます。
結論として、育毛効果★★★☆☆、シャンプー成分★★★★☆、価格★★★☆☆という、まずまずの評価になりました。
スカルプDは「予防医学のアンファー」から発売されている育毛シャンプーです。
「ベタつく頭皮をすっきり洗浄」というコンセプトが掲げられ、雨上がりの宮迫さんのCMでもおなじみです。
本記事でははじめに
「そもそも育毛シャンプーには、どのような成分が含まれていることが重要なのか?」
を説明します。
そして育毛シャンプーに求められる要件を押さえたうえで、スカルプDの「成分」と「期待される育毛効果」について解説していきます。
また口コミで多い感想や、コストパフォーマンスについても紹介します。
育毛シャンプーに求められる要件と成分
「育毛シャンプーに求められる要件」は2つあります。
1つ目は「抜け毛、脱毛を防ぐこと」(守り)
2つ目は「新たな毛が生え、しっかりと育つ環境を整えること」(攻め)
です。
これは言うならば、守り(ディフェンス)と攻め(オフェンス)になります。
まず守りの面、「抜け毛・脱毛を防ぐ」には何が大切かを説明します。
育毛シャンプーの要件1:抜け毛・脱毛を防ぐ(守り)
抜け毛・脱毛を防ぐには、薄毛・男性型脱毛症AGAがどのようなメカニズムで発症するのかを知ることが大切です。
簡単に説明すると、髪の毛母細胞(毛根部分にあり、細胞分裂して髪が伸びる場所)で、男性ホルモンのテストステロンが「5αリダクターゼ」という酵素によって、DHT(ジヒドロテストロン)に変換されます。
このDHTが、毛母細胞内の男性ホルモンレセプター(アンドロゲンレセプター)とくっつくと、髪の成長を阻害する因子(TGF-β1)が生成され、TGF-β1が毛母細胞を攻撃して髪の成長が止まり、抜け毛となります。
AGAの特徴や女性のケースなどの詳細はこちらの記事をご覧ください。
男性型薄毛AGAとは?特徴とメカニズム、女性のケースなどを解説
この「抜け毛が生じるプロセス」を防ぐ成分が含まれていることが、「守りの面」で重要です。
大豆イソフラボン、ホウセンカエキス、バンジロウ葉エキス、・・・
などが知られています。飲み薬としてフィナステリドという成分もあります。
育毛シャンプーの要件2:新たな髪が育つのを促進する(攻め)
2点目として、新たな髪が育つ頭皮環境を整えること(攻め)が重要です。
花や野菜に例えると、「栄養満点の土」と「しっかりした根っこ」がないと、きれいな花やおいしい野菜は育ちません。
髪も同じで、「良い栄養(土)」と「毛細血管(根っこ)」がないと、良い毛が育ちません。
髪を育てる栄養には、「食事から摂取するもの」と、「シャンプーや育毛剤に含まれているもの」があります。
ニコチン酸アミド、アデノシン、・・・
などがあります。
さらに、シャンプーの成分には、
良い根っこ=「しっかりとした毛細血管」を育てる効果も重要です。
毛細血管を育てるには、「対象の毛細血管内を、しっかりと血液が流れること」が重要となります。
そのためには毛細血管を拡張させる効果のある成分が大切です。
ミノキシジル、センブリエキス、塩化カルプロニウム、ショウキョウチンキ、ニコチン酸アミド、・・・
などが知られています。
以上をまとめますと、育毛シャンプーおよび育毛剤には
- 抜け毛の原因となるDHTの合成を防ぐ成分
- 毛母細胞を活性化する成分
- 血流を良くし、毛細血管を育てる成分
の、3つのタイプの成分が含まれていることが重要となります。
そして育毛シャンプーを選ぶうえでは、さらに追加要件があります。
育毛シャンプーの要件3:洗浄成分とコスト
育毛シャンプーの追加要件は洗浄成分とコストパフォーマンスです。
いくら育毛効果に優れた成分が含まれていても、肝心の洗浄成分の質が悪いものは避けたいです。
また、コストも重要です。
シャンプーはすぐに洗い流してしまうものなので、シャンプーに含まれる育毛成分の影響や効果は少ないです。
シャンプーにお金をかけるよりも、洗い流さない「頭皮用美容液や育毛剤」のような、効果の大きいものに、優先的にお金をかけるべきです。
そのため、育毛シャンプーはコスパに優れたものを使用したいところです。
スカルプDスカルプシャンプーの成分解析
育毛シャンプーの必要要件を整理したところで、スカルプD・スカルプシャンプーの成分解析に移ります。
本記事は「オイリー」の成分解析です。
スカルプDには「オイリー」のほかに「ストロングオイリー」と「ドライ」の3つのタイプが発売されています。
ですが、3つのタイプは育毛にアプローチする成分はどれも同じで、「洗浄成分の構成」だけが異なります。よほどの事情がない限りは、「オイリー」を選択すれば良いです。
成分表より主要な成分をピックアップします.
スカルプD スカルプシャンプー オイリーの主な成分 | |
成分名 | 役割 |
脂肪酸(12, 14)アシルアスパラギン酸Na液 | アミノ酸系界面活性剤 |
ラウリン酸アミドプロピルベタイン液 | ベタイン系界面活性剤 |
ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム液 | ペリセアと呼ばれ,髪の内部と表面のダメージ修復 |
ピロクトンオラミン | 抗フケ効果 |
サリチル酸 | ピーリング効果により頭皮の新陳代謝を促す |
豆乳発酵液 | テストステロンがDHTになるのを妨げる成分 |
ホウセンカエキス | テストステロンがDHTになるのを妨げる成分 |
洗浄成分は洗浄力があり、刺激性も低い高品質です
洗浄成分のメインは脂肪酸(12, 14)アシルアスパラギン酸Na液です。
この成分はアンファ―が独自に開発したアミノ酸系洗浄成分で、しっかりとした洗浄力がありながら、キューティクルや頭皮に低刺激です。
補助の洗浄成分にラウリン酸アミドプロピルベタイン液などのベタイン系界面活性剤が含まれています。
ベタイン系は、低洗浄力、低刺激のマイルドな成分です。
これらの成分の組み合わせにより、洗浄力と刺激性のバランスの良い構成となっています。
髪の補修成分
ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム液はペリセアと呼ばれ、髪のダメージを修復してくれる成分です(細胞間脂質の橋渡しをして脂質同士をつなぎます)。
キューティクルの修復に加えて、髪内部に浸透して、髪のハリ・コシを与える補修効果と保湿効果に優れた補修成分です。
頭皮の状態を整える有効成分
有効成分として、ピロクトンオラミン、グリチルリチン酸2K、サリチル酸の3つが配合されています。
ピロクトンオラミンは殺菌効果により、フケを予防する成分です。
グリチルリチン酸2Kは抗炎症作用により、肌の炎症を防ぎます。
サリチル酸はピーリング作用のある成分で、古い角質を取り除き、頭皮の皮膚細胞が生まれ変わる新陳代謝を促します。
これら3つの有効成分により、荒れた状態の頭皮の調子を整えてくれます。
スカルプDの育毛成分
最後に最も重要な育毛成分の説明です。
スカルプDには育毛成分として、豆乳発酵液、ホウセンカエキス,バンジロウ葉エキスの3種類が含まれています。
豆乳発酵液には「大豆イソフラボン」が多く含まれています。
大豆イソフラボンは女性ホルモンに似た形をしており、女性ホルモンと似た働きをします。
大豆イソフラボン、ホウセンカエキス、バンジロウ葉エキスの3つは、以下の絵のように、テストステロンがDHTに変換されるのを妨げる効果があります。
スカルプDスカルプシャンプーはこの効果により、抜け毛・脱毛を防ぐ狙いがあります。
以上、スカルプDスカルプシャンプーの成分解析結果でした。
次に、使用者の口コミで多い意見・感想を紹介します。
スカルプDスカルプシャンプーの口コミ評価
口コミを調べてまとめると、以下のようになりました。
口コミ評価では、「脂分がしっかりと洗い流された」ことに対する満足の声が多かったです。
一方で、毛が生えたという意見は少なく、「進行が遅くなった気がする」という人が多かったです。
スカルプDスカルプシャンプーの価格
スカルプDスカルプシャンプーは楽天市場、Amazon、公式サイトで購入することができます。
楽天市場とAmazonは、350mlが3,900円(税込み・送料込み)です。
公式サイトも同じ値段ですが、トライアル版があったり、購入でポイントが付いたり、グレードが上がって安くなったりするので、公式サイトが一番おトクではあります。
350ml入りなので、1回5mlとすると70日分となり、
ひと月あたり1,670円になります。
スカルプDスカルプシャンプーのまとめ
スカルプDスカルプシャンプーについて成分解析と評価を行ないました。
結果をまとめますと、
スカルプD スカルプシャンプー オイリー | |
①抜け毛の原因DHTの合成を防ぐ成分 | ○ ※豆乳発酵液など3種類 |
②髪の毛母細胞を活性化する成分 | × |
③血行を改善し毛細血管を育てる成分 | × |
④シャンプーの洗浄成分の質 | ◎ |
⑤コストパフォーマンス | ひと月あたり1,670円 |
育毛効果の検証ですが、上記表の①~③の成分のうち、①の成分しか含まれていません。
残念ながら育毛効果は薄いと思われます。
頭皮の調子を整える有効成分は3種類含まれており、フケや痒み、頭皮荒れに悩んでいる人にはおすすめです。
ですが、育毛シャンプーとしては力不足であり、同じ金額であれば別に良いものがあると思われます。
以上、ご一読いただきまして、ありがとうございます。