本記事では「パーマがかかる仕組み」と「パーマの持ちを良くするお手入れ方法」そして「パーマした髪におすすめのシャンプー」について,どのサイトよりも分かりやすく説明します.
パーマがかかる仕組み
パーマの基本的な手順
パーマの手順をおおまかに説明すると
①パーマ前にシャンプーや必要ならトリートメントをして,髪を濡らした状態にします
②ロッドで髪を巻き巻きします
③1つ目の薬剤(1液)を髪に塗ります
④温めながらしばらく放置します
⑤一度水洗いをして,2つ目の薬剤(2液)を髪に塗り放置します
⑥ロッドからはずして,髪を流し,トリートメントなどをして完了
お店やコースによっても多少変わるところはあるかもしれませんが,以上がパーマの基本的な流れです.
重要なのは,「2種類の薬剤を使う」ところです.
パーマがかかる仕組み
髪の毛は主にケラチンというタンパク質でできています.
そして,ケラチン同士は,3種類の結合でくっついています.
以下の図は,髪の毛を横向きに見たときの内部の結合の様子です.
1つ目の結合はシスチン結合と呼ばれ,強い結合です.
2つ目の結合は塩結合と呼ばれ,中くらいの強さの結合です.
3つ目の結合は水素結合と呼ばれ,弱い結合です.
パーマ施術前に髪をぬらすと,3つ目の結合である水素結合が外れます.
次にその状態でロッドに髪を巻くことで,髪がひっぱられます.
そしてこの状態でパーマの1液を塗ります.
1液には「アルカリ」と「還元剤」の2つの成分が含まれています.
アルカリはキューティクルを開かせて,還元剤が髪の内部に浸透する通路を作ります.
さらにアルカリは塩結合を切ります.
内部に浸透した還元剤はシスチン結合を切ります.
その結果,以下のようにすべての結合が切れた状態になります.
次にパーマの2液を塗ります.
2液には「酸化剤」が含まれていて,切れたシスチン結合と塩結合を元に戻します.
最後に髪を乾かせば,すべての結合がずれた状態で再結合して,パーマ完了となります.
このように,パーマでは結合が強い塩結合とシスチン結合を1液で一度切って,ずらした状態で2液を使って再結合させることで,髪にクセをつけています.
パーマ後の手入れ方法
手入れ方法①:当日夜はシャンプーしない
パーマをした当日の夜は髪を濡らしたり,洗ったりしない方が良いです.
パーマの1液のアルカリによって,髪のキューティクルが開いている状態のため,髪を洗うとキューティクル同士がこすれて剥がれてしまいます.
また,パーマの2液の酸化剤による再結合は,パーマ後約24~48時間程度続きます.
当日夜に髪を洗ってしまうと2液の酸化剤が流れてしまい,パーマがしっかりとかかりません.
そのため,パーマをした日の夜は髪を濡らさないでおきましょう
手入れ方法②:髪を濡らしたまま自然乾燥させない
日にちが経ってパーマがだんだん落ちてしまうのは,重力による力に,再結合させた髪のシスチン結合が負けていくからです.
そのため極力,髪に重みを感じさせないことが重要です.
特にシャワーの後,髪を濡らしたまま自然乾燥させると,ずっと髪が髪と水分の重みでひっぱられるため,パーマがとれてしまいます.
洗髪後はドライヤーでしっかり乾かすことが大切です.
手入れ方法③:ヘマチン入りのシャンプーを使用する
パーマをしたときの独特の臭いは,1液のアルカリに含まれるアンモニア系の臭いです.
このアンモニア系の臭いは,ヘマチンという成分が入ったシャンプーを使用することで除去することができます.
ヘマチンは血液のヘモグロビンと似た形の物質です.
ヘモグロビンが酸素とくっついて酸素を全身に運ぶように,
ヘマチンも様々な物質とくっつきやすいという性質があります.
この性質のおかげで,パーマ後に残留したアルカリ(アンモニア)とくっついてアルカリ臭を消してくれます.
またヘマチンが
髪のケラチン同士の接着剤となってつないでくれるため,シスチン結合が重力で切れるのを防ぎ,パーマが長持ちします.
パーマの持ちを良くするためにも,ヘマチン入りのシャンプーを使いましょう.
手入れ方法④:弱酸性のシャンプーを使用する
パーマの1液に含まれるアルカリは,髪のキューティクルを開かせます.
このままの状態だとキューティクルが開いているために,髪の内部から栄養分が流れ出ていったり,キューティクル同士がこすれて剥がれてしまいます.
そのため,髪を弱酸性に戻してあげる必要があります.
パーマをかけた後は,ヘマチンの入った弱酸性シャンプーを使用するのが最も望ましいです.
ヘマチンの入った弱酸性シャンプーとしては次の2つがおすすめです.
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手入れ方法⑤:シリコン入りのトリートメントを使用しない
パーマを長持ちさせるにはシリコン入りのトリートメントを避けた方が良いです.
シリコンで髪をコーティングすることで確かに髪は美しくなりますが,コーティングで髪が重くなる分,早くパーマが落ちてしまいます.
そのためシリコン入りのトリートメントは使用せず,
シリコンとは別の方法で,髪を美しく補修してくれるトリートメントを使うのがおすすめです.
シリコンを使わずに髪を補修するには,次の2つの成分がおすすめです.
一つ目はメドウフォーム-δ-ラクトンという成分です.
この成分は髪の表面にくっついてドライヤーの熱で作用し,擬似キューティクルとなる性質があります.
そのため,パーマで傷んだキューティクルの代わりとなって,髪の表面にツヤを生み,滑らかな手触りのある髪にしてくれます.
二つ目はγ―ドコサラクトン(エルカラクトン)という成分です.
この成分もドライヤーの熱で反応して作用する新しい成分です.
ヘマチンと同様に吸着する力が強い成分で,髪の内部に浸透して内部で髪のケラチン同士をつなぎ,ヘマチンと同様にパーマを長持ちさせてくれます.
さらに,パーマの薬剤でダメージを受けた髪の内部を補修して,ハリ・コシのある髪にしてくれます.
これらの成分が入ったトリートメントを探すと,以下の製品が最もおすすめでした.
※守り髪のシャンプーはお勧めではないです,トリートメントのみお勧めです
また,γ―ドコサラクトン(エルカラクトン)は含まれていませんが,メドウフォーム-δ-ラクトンが含まれているトリートメントとしては以下もお勧めです.
ここまでで,「シャンプーとトリートメントがペアになっていないけど大丈夫?」と疑問がわくかもしれません.
一般的に洗浄力の弱いシャンプーと,シリコンがっつり系トリートメントを一緒に使うのは良くありません.
ですが,洗浄力がきちんとある先にお勧めしたシャンプーであれば,ブランドでペアになっていなくても大丈夫です.
今回おすすめしたシャンプー&トリートメントを使うことで,
パーマした髪を長持ちさせるとともに,とても美しい状態にすることができます.
以上,パーマの仕組みとお手入れ方法について紹介しました.
ご一読いただきありがとうございます.
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