本記事では
「髪の毛がひと月でどれくらい伸びるのか?」
「どんなメカニズムで髪の毛が伸びるのか」
について説明します.
髪の毛が伸びるメカニズム
髪の毛は皮膚に埋まっている「毛球」から生えます.
この「毛球」は「毛乳頭」を包んでおり,この毛乳頭が,頭皮の毛細血管からアミノ酸やビタミン・ミネラルなど,髪の毛の原料となる栄養分を受け取ります.
毛乳頭は受け取った栄養を,毛球内の「毛母細胞」に渡します.
栄養を得た毛母細胞は,細胞分裂を繰り返し,髪の毛を構成する要素となります.
この毛母細胞の分裂によって髪全体が下から上へ押し上げられることで,髪の毛が伸びます.
また,毛母細胞が細胞分裂をして髪の毛となる際に,毛球内のメラノサイトと呼ばれる色素細胞からメラニン色素を受け取り,髪の毛が黒くなります.
このようなメカニズムで髪は,ひと月あたり約1cm伸びます
ヘアサイクルについて
髪の毛は常に一定の長さで伸び続けているわけではなく,4つの異なる時期があります.
この1本の髪の毛が生まれてから抜け落ちるまでの約5年間の周期のことをヘアサイクルと言います.
「成長期」は髪の毛が伸びる期間で,およそ5年間です.
「退化期」は成長が終わって毛球が縮小し,毛乳頭の活動が停止する期間で,およそ1ヶ月です.
「休止期」は毛球部が押し上げられ,毛髪が頭皮にとどまっているだけの期間でおよそ4ヶ月です.
「発生期」は毛乳頭が活動を再開し,新しい毛髪の成長が開始することで,古い毛髪が抜ける期間です.
ヘアサイクルは以上の4つの時期に分かれます.
このサイクルが乱れると,薄毛になったり,髪の毛が細くなったりします.
また髪の毛は全体で10万本ほどあり,1日に約50本ほどが自然に抜けます.