本記事では「カラーで髪が染まる仕組み」と「カラーの持ちを良くするお手入れ方法」そして「カラーした髪におすすめのシャンプー」について,どのサイトよりも分かりやすく説明します.
カラーで髪が染まる仕組み
カラーの基本的な手順
カラーの手順をおおまかに説明すると
① 2つの薬剤を混ぜてカラー用の混合液を作り,髪に塗る
② 30分前後の間放置して,薬剤をはたらかせる
③ 薬剤を流す
お店やコースによっても多少変わるところはあるかもしれませんが,以上がカラーの基本的な流れです.
重要なのは,「2種類の薬剤を混ぜて使う」ところです.
カラーで色が染まる仕組み
髪の毛の色は,毛に含まれるメラニンという色素の量で決まります.
カラーの薬剤はまずそのメラニン色素を分解して,髪の色を脱色します.
それと同時に,目的の色となる染料(髪に色をつける成分)を髪の内部に送り,望みの色に髪を変更します.
カラーに使用する1つ目の薬剤には,アンモニアでできたアルカリ成分と,分解された染料の2つが含まれています.
2つ目の薬剤には,アルカリに反応して酸素を出す成分が含まれています.
この2つの薬剤を混ぜて髪に塗ることで,次のような反応が起こります.
まず1剤のアルカリ成分によって,髪の表面のキューティクルが外へ開きます.
キューティクルが開いたことで,1剤に含まれる分解された染料と2剤から発生した酸素が髪の内部に入っていきます.
髪の内部に入った酸素は,メラニン色素を分解して髪の色を薄くします.
さらに,分解していた染料が酸素の作用で合体して,望みの色の染料になります.
以上のはたらきにより,髪を望みの色に染めることができます.
これが髪が染まる仕組みです.
次に,髪を染めた後,カラーを長く維持するお手入れ方法を紹介します.
髪を染めた後の手入れ方法
手入れ方法①:当日夜はシャンプーしない
カラーをした当日の夜は髪を濡らしたり,洗ったりしない方が良いです.
カラーの1剤のアルカリ成分によって,髪のキューティクルが開いている状態のため,髪を洗うとキューティクル同士がこすれて剥がれてしまいます.
また,カラーの2液の酸素による「染料の合体」は,カラー後約24~48時間程度続きます.
当日夜に髪を洗ってしまうとこの酸素や分解している染料が流れ出てしまいます.
そのため,カラーをした日の夜は髪を濡らさないでおきましょう
手入れ方法②:髪を濡らしたまま自然乾燥させない
日にちが経ってカラーした髪の色が変化していくのは,
染料が髪内部から,髪の外へ流れ出てしまうからです.
そのため極力,髪から染料を流出させないことが重要です.
髪が濡れている状態だとキューティクルが外へ開いてしまいます.
そしてキューティクルが開いていると,その隙間から少しずつ染料が流れ出てしまいます.
そのためシャワーの後は自然乾燥でなくドライヤーで早めに乾かすことが大切です.
ただし,このときにドライヤーのあてすぎには注意です.
手入れ方法③:風量のあるドライヤーを使用する
カラーの退色を防ぐために,髪をきちんと乾かすのは大切ですが,ドライヤーの当てすぎには注意する必要があります.
ドライヤーを1箇所にあてすぎると,髪の表面が熱され過ぎて,キューティクルが傷ついたり,髪の表面が乾きすぎて,逆にキューティクルが開いてしまいます.
特に「風量が弱いドライヤー」を使用していると,髪が乾きにくいため,どうしても髪の一部分が熱されすぎてしまいます.
これを防ぐためには,美容院で使用されるような,風量が強いドライヤーを使用することが大切です.
手入れ方法④:ヘマチン入りのシャンプーを使用する
カラーをしたときの独特の臭いは,1液のアルカリ成分であるアンモニアの臭いです.
このアンモニアの臭いは,ヘマチンという成分が入ったシャンプーを使用することで除去することができます.
ヘマチンは血液のヘモグロビンと似た形の物質です.
ヘモグロビンが酸素とくっついて酸素を全身に運ぶように,
ヘマチンも様々な物質とくっつきやすいという性質があります.
この性質のおかげで,カラー後に残留したアンモニアとくっついてアンモニア臭を消してくれます.
またヘマチンが接着剤となって,髪内部のタンパク質であるケラチン同士をつないでくれます.
すると,
髪内部にすき間ができにくくなって,染料が隙間から外へ出て行くのを防ぎ,カラーが長持ちします.
カラーの持ちを良くするためにも,ヘマチン入りのシャンプーを使いましょう.
手入れ方法⑤:弱酸性のシャンプーを使用する
カラーの1液に含まれるアルカリは,髪のキューティクルを開かせます.
このままの状態だとキューティクルが開いているために,髪の内部から栄養分や染料が流れ出ていったり,キューティクル同士がこすれて剥がれてしまいます.
そのため,髪を弱酸性に戻してあげる必要があります.
カラーした後は,ヘマチンの入った弱酸性シャンプーを使用するのが最も望ましいです.
ヘマチンの入った弱酸性シャンプーとしては次の2つがおすすめです.
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手入れ方法⑥:シリコンがっつりトリートメントを使用しない
カラーを長持ちさせるにはシリコンががっつり入ったトリートメントを避けた方が良いです.
シリコンで髪をコーティングすることで確かに髪は美しくなりますが,
分厚いコーティングによって,ヘマチンなどの髪内部の修復・補修成分が浸透しなくなります.
特にジメチコンというシリコン成分が多く入ったトリートメントは使用しないほうが良いです.
同じシリコン成分でも,アモジメチコンやシクロペンタシロキサンというシリコン成分のトリートメントを使用するのがおすすめです.
これらの成分は,コーティングがあまり分厚くなりすぎず,補修成分が内部へ浸透することができます.
また,シリコンとは別の方法で,髪を美しく補修してくれるトリートメントを使うのもおすすめです.
シリコンを使わずに髪を補修するには,次の2つの成分がおすすめです.
一つ目はメドウフォーム-δ-ラクトンという成分です.
この成分は髪の表面にくっついてドライヤーの熱で作用し,擬似キューティクルとなる性質があります.
そのため,カラーで傷んだキューティクルの代わりとなって,髪の表面にツヤを生み,滑らかな手触りのある髪にしてくれます.
二つ目はγ―ドコサラクトン(エルカラクトン)という成分です.
この成分もドライヤーの熱で反応して作用する新しい成分です.
ヘマチンと同様に吸着する力が強い成分で,髪の内部に浸透して内部で髪のケラチン同士をつなぎ,ヘマチンと同様にカラーを長持ちさせてくれます.
さらに,カラーの薬剤でダメージを受けた髪の内部を補修して,ハリ・コシのある髪にしてくれます.
これらの成分が入ったトリートメントを探すと,以下の製品が最もおすすめでした.
※守り髪のシャンプーはお勧めではないです,トリートメントのみお勧めです
また,γ―ドコサラクトン(エルカラクトン)は含まれていませんが,メドウフォーム-δ-ラクトンが含まれているトリートメントとしては以下もお勧めです.
シャンプーとトリートメントが同じブランドになっていませんが,洗浄力がきちんとあるさきほどおすすめしたシャンプーであれば,ブランドでペアになっていなくても大丈夫です.
今回おすすめしたシャンプー&トリートメントを使うことで,
カラーした色を長持ちさせるとともに,ツヤのある美しい状態の髪を維持することができます.
以上,カラーの仕組みとお手入れ方法について紹介しました.
ご一読いただきありがとうございます.
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